R4/10/14 篠原演芸場にて9PROJECTとコラボ公演を開催


2022.09.27

日本文化大衆演劇協会のアドバイザーのひとりである脚本家で演出家の渡辺和徳さんは、つかこうへい作品を中心に上演する演劇ユニット9PROJECTの主宰者です。
2022年10月13日、9PROJECT主催による、つかこうへい氏の名作「寝盗られ宗介」が篠原演芸場で上演され、大衆演劇界から澤村蓮、三咲暁人が客演。


これは篠原演芸場を外部の劇団に貸し出す初の試みでした。


そして翌14日には、渡辺和徳さんが台本を大衆演劇用にアレンジし、龍美麗が演出・主演を担当、ヒロインに9PROJECTの看板女優・高野愛を迎えた大衆演劇バージョンの「寝盗られ宗介」が上演されました。こちらには澤村蓮、三咲暁人、市川華丸、三咲愛羅のほか、前日、主役の宗介を演じた9PROJECTの小川智之も別の役で出演。さらにさかのぼって池袋で10月6日〜9日まで行われた9PROJECTの東京公演には、急な出演者の変更があり、ピンチヒッターとして三咲暁人が参加しました。

こうして期せずして3つのコラボ公演が行われることとなり、14日の舞台では龍美麗が芝居のカーテンコールで予想外の涙を見せ、最後の舞踊ショーでは大衆演劇の役者と9PROJECTの役者が入り混じって盛り上がる大成功に!その結果、大衆演劇を知らなかった、篠原演芸場に入ったことがなかった演劇ファンが、初めて大衆演劇に触れる、楽しさを知って別の日に来場する。逆に大衆演劇ファンが小劇場の芝居を初体験して興味を持つ、というジャンルを超えた観客の行き来が実現。また、演出法も稽古のやり方もまったく異なる中で、演者や裏方、関係者も大きな刺激を受け合いました。14日の下座をつとめた章劇の座長でもある澤村蓮は
「大変だったが自分も劇団もレベルアップできた」と最後の挨拶で感謝を述べました。

大衆演劇版「寝盗られ宗介」は「新風プロジェクト革新シリーズ#1」としての上演でした。ひとつの演目が違う視点から別々の舞台に創作されていく面白さ、演劇的興奮はたくさんの観客の胸に刻まれました。
「大衆演劇の衣装、照明、舞台セット、芝居の構築法は素晴らしい。魅力を再発見した」
「娯楽としての大衆演劇のレベルの高さを誇らしく思った」
「こういう斬新な企画をもっとやってほしい」という声が多く聞かれました。